【不食】ルイジ・コルナロ『無病法』の内容を詳しく!【書籍紹介】

2019年12月4日

無病法とコルナロ

ほんのわずかな食事のほうが幸せな生活を送れる……としたら今の食事、変えられるでしょうか?

ルイジ・コルナロ(1464~1566)。今回の記事の主役は、このルネサンス期のイタリア貴族。

コルナロはヴェネツィア共和国パドヴァ市の行政長官を務めた人物。彼は30代までの間に暴飲暴食がたたって成人病に、40代に至って生死の境をさ迷います。もはや打つ手なしかと思われたとき、医師の最後の忠告で節食生活に切り替えたところ劇的に改善

80歳以降に記した4つの講話が当時の人々に大反響となり、コルナロは相当な有名人になります。16世紀にして102歳まで生きた超長寿者として世界中に知られ、哲学者のフランシス・ベーコン、ニーチェ、ケロッグ博士などが言及するほどでした。

コルナロはほんのわずかな食事で人は生き、そして快活で幸福でいられることを説いた歴史的先駆者。この記事では「無病法の具体的な内容」「コルナロが食べた食事内容」「幸福な生活」の3つについて詳しく見ていくことにしましょう!

当ブログで『無病法』を紹介する理由
当ブログは引き寄せやニューソートをメインコンテンツとしていますが、素晴らしい気分で生きていくことに関心があります。

ココブロでは不食(超少食)によって生きる人たちを紹介していますが、その世界的先駆者たるコルナロの『無病法』(PHP研究所)もまた一読に値する本であり、今回記事にて紹介しました。

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『無病法』はどんな内容?

本の内容

『無病法』はコルナロの4つの講話と、翻訳者が解説する形式でまとめられた短めの本。

ひとまずはコルナロ本人が語る講話だけを簡単に要約してみました。

講話(一)…83歳のとき

近頃は、不節制や飽食が良いものだと思われている風潮がある(当時)ようだ。しかし私(コルナロ)はこの害について長年痛感してきた。放縦な食事は私の胃に激痛を走らせ、痛風を引き起こし、微熱・のどの渇きなどを引き起こすなど、あらゆる苦しみをもたらした。

どんな治療法を試みても治らず、やむなく医者の最後の忠告に従い、厳しく食を制限すると、たちどころに体調が改善し一年もしないうちにすべての疾患が消えてしまった。それほどの著しい効果があったのだ。

これ以来私は食習慣においてはさまざまな試行錯誤の末、パンと卵の黄身、少しの肉、それとスープをきっかり一日総量350gだけ摂るようにすることで健康と体調を大いに向上させてきた。これより量を増やして食べてみると、大病にかかったため、やはりこの量に戻すことにした。

食べ物が自分に合うかどうかもある程度重要だが、とにかく量の制限が重要だ。この食習慣を獲得したことで、気分は妙なる悦びに満たされ、さえた頭脳、丈夫な体をもち、軽やかな身のこなしをもって一日中快活に仕事をし、病気一つせず、人生における老境を最大限謳歌している。

講話(二)…86歳のとき

食べたいだけ食べればよいという人は多くの場合寿命を縮め、1日1度の食事にしているのに腹一杯食べている人も長寿を損なっている。放縦な生活に病んで天寿を待たずに他界した人々が私の友人や知人にも多い。そうした人たちが私の忠告に耳を傾けてくれていればと悔やまれる。

人は食事を通して体質を改善していけるが、すでに述べたように量を減らすことは重要だ。しかも、歳をとるごとに食事の量を減らしていくことで気分も体調も五感も知性も何もかもが向上し、どころか加齢による機能低下など少しもないのだ。

若者の場合なら官能が強く、衝き動かされてしまうのもやむをえまいが、中年や初老にもなったなら理性が勝ってしかるべきである。飽食は楽しみが短く、病は長く、そしてそれこそ病気の原因であることは明白なのだから、節食して健康改善してくれることを切に願う。

講話(三)…91歳のとき(書簡)

(総大司教ダニエル・バルバロ宛の書簡)

成長するときに次第に増えていった食事の量は、老いに従ってその量を逆行させなければなりません。私もはじめ、この美徳を身に着けるのは決して容易なことではありませんでした。神様に熱心に祈り、この祈りが聞き届けられるように、と努力したものでした。

われらが創造主は、人間に対して長寿をお与えなのであり、老いにしたがって弱まる官能を好機として理性的な生活に切り替えるべきなのです。人生の終わりにおいても病気にならず、平和のうちに死の世界へ移っていくことができるのです。

講話(四)…95歳のとき

私は100歳まで生きることを確信している。子供のころから病気がちで、30代過ぎからは死の淵をさ迷ったことを考えると、それ以後の人生には感謝の念を覚えずにはいられない。

厳格な節食によって病気の原因が日々取り除かれ、心身ともにすべてが完全に調和のとれた状態である。ああ、素晴らしい我が人生よ!真にまことに、あなた方が私と同じように幸せな人生を享受できることが私の心からの願いであり、そのために食を節する重要性を声高に言い続けている次第である

 

……さて、ここまでが4つの講話のだいたいの概要でした。それぞれ話の内容は重複部分もいくらかあります。

しかし、そこに込められている熱いメッセージと幸福感は読み手に強いインパクトを与え、彼の極少食がいかに力強いものかが伝わってきます。そこで、次に、コルナロが食べたものの総量がどれくらいなのかを考えてみることにしましょう。

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コルナロさん、食事量はどれくらい?

食事量

コルナロが食べていたものはパンと卵の黄身、少しの肉(もしくは魚)、それとスープをきっかり一日総量350g

量の割合や素材などがはっきりわかりませんが、私が勝手に推測してみることにします。

ダイエッターの御用達、簡単andカロリー計算カロリーSlismイートスマートからカロリー総量とマクロ栄養素(PFC)を計算してみましょう。

パン 1.5枚分

全粒粉からつくった素朴なパンを食べていたと記述があります。そのため、6枚切り全粒粉食パン1.5枚105gで240kcal(PFCはそれぞれ7.5g、3g 、45g)と仮定しましょう。

卵の黄身 2個分

1個で18gで70kcal。さみしいのでもう一つ食べましょう。2個36gで140kcal(PFCは、5g、11.4g、0g)。白身は捨てたんでしょうか?貴重なタンパク源なんですけどね……それがコルナロ流ということで。

少しの肉 75g

少しってどれくらい?50g~100gとして中間の75gにしましょう。本文中で魚との比較をしているくらいなので、脂だらけのサーロインステーキではなく、鶏肉くらいのさっぱりしたものがよさそう。ということで鶏モモ肉(皮付き)75gで150kcal。(PFCは12g,  10g, 0g)。

スープ 一杯

イタリアのスープと言えばミネストローネ。コルナロが食べたかはわかりませんが一杯142gで67kcal。(PFCは3g、1.5g、10g)

さて、食事の合計は?

以上、食事の総量が358gとなりました。(8gは見なかったことにしましょう。)

合計597kcal!極少食ですね。ダイエッターが涙を流しながら食事制限したときの1/3しか食べていません。ちなみにPFC(タンパク質・脂質・炭水化物)は、それぞれ27.5g、26g、55gでした。

もちろんこれは量の割合や食材によって変わります。コルナロはサーロインステーキが好物だったかもしれませんし、卵は1つでパンを2枚食べた可能性もあります。でも食事の見栄え的にもこれくらいが妥当かな?これで超健康になれるなら……なんて素晴らしい。

コルナロの精神と幸福な生活

彼の極少食生活がいかに幸福だったかは本書から伝わってくるというもの。そこで精神に関する彼の考え方を拾ってみました。

ネガティブな感情をなるべく避けた

コルナロは心身を快活に保つため、憂鬱、憎しみ、その他否定的な感情をなるべく避けるようにしていたそうです。これが心身に由々しき影響を与えるからです。一方、極少食を続けるとその種の不快な情念は生じにくくなる、という発見をしています。

困難を乗り越えるメンタルの強さ

共和国の有力者がコルナロに訴訟を仕掛けたことがあったようで、この困難の前に家族の皆々は大いに悲しみ打ちひしがれ、心身損ない、早々に他界してしまったとか。しかし彼は苦難を前向きに捉え耐え忍びついに事態は好転。これも節食の成果だと主張しています。

老境の素晴らしく幸福な生活

節食によって体調・気分が実に優れ、達者でかつ健康でいられるのは本当に素晴らしいことだと彼は繰り返します。

・助けもなく馬に乗り、階段は言うまでもなく、心はいつも陽気で、人々と楽しい会話をし、ペンを走らせ、良書を友とする。
・暑さや寒さも気にならず、心に葛藤もなく、今は市民のために面白い喜劇(コメディ)を書くことを、大きな楽しみにさえしている。
・孫とたわむれ、朗々と歌う…そんな地上天国のような境地に、極少食によって至ることができた。

素晴らしいですね。

食事の大幅な制限が精神的な幸福に繋がることは、当ブログの不食の記事でも触れてあります。

心をつくるのであれば、極少食(あるいは不食)というのは非常に魅力的な食習慣の選択肢だということになるでしょう。

不食の記事はこちら↓

まとめ

いかがったでしょうか。

本書は読んでいただければわかりますが、極少食の魅力とコルナロの素晴らしい幸福感が伝わってくる良書です。本当なら訳者・中倉玄喜氏の解説部分についても触れたかったのですが、分量的に今回は割愛します。あしからず。

栄養学や医学で言われる最低限摂取しなければならないエネルギーというのは一体何なんだろう?と、私は最近よく考えます。不食家の方たちが言うように、慣れさえすればもっと少ない量で生きられて、しかももっと健康にもっと幸福に生きられるかもしれない……。

そんな可能性を感じさせてくれますね。今更、山田鷹夫さんの『人は食べなくても生きられる』(三五館)を読んでいるところなのですが、みなさんもぜひ不食・極少食の世界に触れてみてくださいね!

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

参考文献・URL

ルイジ・コルナロ(2012)『無病法 極少食の威力』(中倉玄喜訳)PHP研究所

簡単andカロリー計算

カロリーSlism

イートスマート

 

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