【ココブロ】”いまに在る”とは?意味・定義の解説【出典あり】

いまに在る(Being)“とは、禅・瞑想界隈で使われる言葉で、

雑念や余念がなく、今この一瞬(呼吸・肉体の感覚など)に気づいている心の状態

という意味。さらに、

悟りを開いた際の心の状態

としても理解されます。

類語にはマインドフルネス・只管・"今ここ"・即今底・悟りなどがあります。"いまに在る"という表現はエックハルト・トールがよく用いる表現ですが、このページでは仏教、科学、スピリチュアルの3つの分野の出典を交えながら意味・定義を解説していきます。

瞑想 実践 オルメ
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いまに在る(Being)の意味・定義

雑念や余念なく、今この一瞬に気づき続けている心の状態」のこと。

エックハルトによれば気づきという言葉とほぼ同じ意味になります。[2]p.114したがってマインドフルネスとほぼ同じ概念だと考えて良いでしょう。cf. [1]p.31, [2]p.90

私たちはふだんから常に何かを考え、雑念でいっぱいの状態がつねですが、ひとまずそれを止める・落ち着かせるために集中力を養うのが坐禅や瞑想だと一般には理解されます(伝統的にはサマタ瞑想と呼ばれるものです[3]p.98, [4])。

一方で、自分の思考・感情・感覚などに気づき続けることで、思考・感情・感覚などは自分とは異なるものであると認識し、記憶の中にある過去も不安や期待に彩られた想像上の未来も実在しておらず、「今この一瞬」のみが現実だという認識に至ります(後述)。

このような気づきの状態をジョン・カバットジン氏はマインドフルネスと呼び[1]、原始仏教ではサティ(sati)と呼び[3][4][5]、OSHO(ラジニーシ)は気づき(awareness)という言葉で表現しました。[6]

実践上のポイントとしても理解される

“いまに在る"のは悟りに至るための実践上の重要なポイントであり、瞑想や禅の実践者は未来や過去に思いをはせるのをやめてただこの今一瞬に気づき続けよと主張します(後述)。

禅や瞑想の目的は各提唱者によって異なるため一概に言えませんが、禅や瞑想のルーツの1つであるシャカ(ゴータマ・シッダールタ)は「苦の克服/解脱」をテーマに掲げました。

また、マインドフルネス瞑想を提唱したジョン・カバットジンは「苦しみからの解放や癒し」を目的とし[1]、スピリチュアル分野でのエックハルト・トールもまた苦や痛みからの解放と心の平安(悟り)[7]について語りました。

いまに在る(今この一瞬に気づき続けること)は苦しみから解放されて悟りに至るためのプロセスであり、同時に悟りを開いている人の心身の状態であると言えます。

現在性を強調するのは"禅的"?

これは当ブログの意見ですが、"いまこの一瞬"をとりわけ強調するのは禅宗、または禅の影響を受けている指導者・提唱者が多いようです。

一方でゴエンカ氏やスマナサーラ長老など、ブッダの瞑想法を掲げてヴィパッサナー瞑想を提唱する指導者は現在を含む時間についてはそれほど強調しない傾向があるようです。

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“いまに在る"についての3つの表現

“いまに在る"にことについて述べた指導者や提唱者の言葉を引用しつつ、各分野での表現を見ていきましょう。

仏教者の"いまに在る"

仏教、とくに禅宗では只管(しかん:ひたすら)、即今・当処・自己(いま・ここ・わたし)、即今・目前・聴法底の人(≒いま・ここで・話を聞いているあなた)(臨済録)などのように、"今ここ"という捉え方を非常に重視します。

物来たらば即ち照らせ。汝はただ現今用うる底を信ぜよ。
(ものごとが立ち現れたならそれを(意識の)光で照らし出せ。おまえたちは今この瞬間に専心するのだ)

臨済録 示衆

(只管とは)余念を交えない今の一瞬、前後のない一瞬を守ることである。

井上希道 [8]

科学者の”いまに在る"

マインドフルネス瞑想を提唱したジョン・カバッドジン氏もまた、現在という瞬間への注意集中の重要性を繰り返し説いています。

私たちが知らなければならないのは、"現在"という瞬間だけです。…(中略)…"瞬間瞬間を意識する"ということがとても大切になってくるのです。

[1]p.49

スピリチュアルにおける"いまに在る"

ニューエイジで一世を風靡したOSHO(バグワン・ラジニーシ)、また世界的な精神指導者として知られるエックハルト・トールの言葉を引用してみましょう。

明日というものはない…(中略)…そして昨日も存在しない。一方はもはや存在せず、もう一方はまだ来ていない。私たちの手中にあるのは 現在の瞬間のみ。今ここだけだ。

“OSHO:There is No Tomorrow"  YouTube.

あるのは「この瞬間」だけだ。人生とはつねに「いま」なのである。あなたの人生のすべてはいつも「いま」展開している。

 [2]p.222

以上、各分野における"いまに在る"の表現について列挙しました。

 

なお、いまに在る(気づく)ための具体的な方法についてはこのページ中で引用した各種瞑想法が役に立つと思います。
以下も参考にしてみてください。

出典・参考文献

[1]ジョン・カバットジン(2007)『マインドフルネスストレス低減法』(春木豊訳)北大路書房.
[2]エックハルト・トール(2008)『ニュー・アース』(吉田利子訳)サンマーク出版.
[3]ウィリアム・ハート(1999)『ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門』(太田陽太郎訳)春秋社.
[4]中村元「原始仏教における止観」『印度學佛教學研究』第23巻第1号、1974年、 24-29頁
[5]ティク・ナット・ハン(2011)『ブッダの気づきの瞑想』(山端法玄ほか訳)野草社.
[6]"OSHO: Compassion – The Ultimate Flowering of Love" Youtube.
[7]エックハルト・トール『さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる』(あさりみちこ訳ほか)徳間書店.
[8]“獅子吼 禅 少林窟道場HP 井上希道老師法話" 過去の法話>2015年1月の法話>「2日 只管.mp3」(2:55~より)

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